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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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U どりーむ 24

 31 ゴールドメダリスト
 
 1989年1月3日、北九州市のとある産院で元気な男の子が産まれた。


「ねぇ、パパ?名前、決めた?」

「そうだなぁ…男の子だし、いい名前、決めような!」


 誕生から4日後、昭和から平成に改元された事を期にその男の子は【航平】と名付けられた。
 
 平成の時代をまっすぐ渡れるようにと願いを込めて―――


 両親は長崎へと移住しスポーツクラブを開設した。


「航平も3歳になったことだし、そろそろ始めてもいいかしら?」

「そうだな…みんなと楽しくやれたらそれでいいんじゃないか?」

「そうね、体操を楽しいと感じてくれるといいわね…」


「ほら見て、お母さん!出来たよ!!」

「ホントだ!航ちゃん、すごい!すごい!!」


「出来ないよ…お父さん…」

「航平、努力は裏切らないんだよ…頑張れ!」


「お父さん、お母さん、僕、東京で体操やりたいんだ!だから上京を許して下さい!!」


 彼は両親の反対を押し切り上京した。

 憧れの先輩の元、体操の練習に明け暮れた。

「世界で一番練習している。」そう自信を持って言えるくらい練習した。

 やがてその成果は次々と実を結ぶ。

 様々な競技会で上位に入り数年後には十代でオリンピック代表になるまでになっていた。



 北京五輪―――


「最悪だ!」

 あん馬で2度も落下した。

 もうメダルは絶望的だ…

 オレ、今まで、何やって来たんだろう…?

 あんなに練習してきたのに―――

 オレに残された事は、今までやって来た、自分の信じて来た日本の美しい体操をやりきるだけ…

 自分を信じて―――

 努力と練習は裏切らない!!


 開き直ったのが良かったのか、これまでの努力が実を結んで23人を抜き、銀メダルを獲得した。

 それでも心は嬉しくは無かった。

 もし、あん馬で失敗してなかったらと思うと悔いが残った。

 貰った銀メダルを母に見せた。

 母はこう言った…

「銀という字は金に良いって書くのよ――――――航平…良く頑張ったね。おめでとう!」

 ありがとう!お母さん…

 オレ、銀メダル貰えて良かった…

 次のオリンピックは必ず金メダル持って帰るよ!!

 絶対に―――



 2012年7月某日


「航平…気をつけてね…頑張りすぎて故障しないようにね…」

「ホント、★は心配性だな…オレ、そんなに信用ないかなぁ…?」

「だって、毎日、毎日、練習しすぎってくらい練習してたんだもの…どこか痛めたらっていつも心配してたんだ

から…」

 相変わらず★はオレの心配ばかりする。

 合同強化合宿で思うように逢えなくなってしまっても電話で話すことはオレの調子と体の事ばかり…

 たまには好きだの、淋しいだの言ってくれよ…

「明日、出発だね。――――――向こうに行ったら暫く電話はいいからね。」

「なんで!?」

「私のことなんていいから試合に集中して下さい!日本中の期待を背負ってるんだもの…余計なことは考えない

でオリンピックのことだけ考えて!」

 ★は今、どんな顔してそう言ったんだろう…?

 ★の事だから、きっと目に涙いっぱい溜めてるんだろうな…

「★のこと余計なことだって思ってないよ。オレにとって★は体操と同じくらい大事なんだ…」

「――――――」

「ねぇ?聞いてる?」

「―――うん…」

「また、泣いてるだろ?」

「泣いてない!泣いてなんかないもん!」

「はいはい、そう言う事にしときます!――――――ところでさ、お土産なにがい―――」

「金メダル!!それと、最高の笑顔と最高のドヤ顔!!」

 全部言いきる前に即答か…

 よし!!やってやろうじゃん!!

「おう!任せとけ!最高のドヤ顔、見せてやるよ!」

「うん!約束だよ!?」

「おう!約束だ!!」

「じゃ、いってらっしゃい…気をつけてね。」

「―――うん、行って来る。―――――――――★!好きだよ…」

「もう…そんなコト言う と――――――泣きたく な  る よ…」

「ほら!やっぱり泣いてる!」

「バカ!航平のバカ!―――――――――大好き!!」

「うん!知ってる…」


 知ってるよ、★…

 出逢った時からこうなるって事。

 ★と出会えたのは運命だったんだ。

 産まれる前から決まってたんだ。

 約束、きっと守るから…

 だから、待ってて!

 

 ありがとうお父さん、お母さん。

 オレ、産まれて来て幸せです。

 こうやって、日本中のみんなに応援されてここまで頑張って来れた…

 みんなの声がオレの背中を押してくれた。

 だから――――――



 やった~!内村航平!!個人総合 金メダル!

 体操男子 日本人28年ぶりの金メダルだ~!!


 
 表彰台の一番高いところに上る―――

 ねぇ?★、見てる?約束守ったよ…オレの最高のドヤ顔、見てくれた?

 最後の床でちょっとミスったけど金メダル取ったから許してくれるよな?

 ねぇ?★、見てる?これが金メダルだよ!一番、輝いてて、きれいだろ…?

 早く帰って見せてあげたいな…

 応援してくれたみんなに見せてあげたいな…

 声が聞こえたんだ。

 頑張れ、頑張れって声が――――――

 オレを応援してくれたみんなの声が…

 ありがとう!

 オレ、世界で一番、幸せです!

 ありがとう!みんなありがとう!!



 会場に巻き起こる歓声。

 みんなの笑顔に包まれて今、金メダルが航平の首にかけられた。

 おめでとう!航平!!

 首にかけられた金メダルを嬉しそうにみつめる笑顔が好きだよ…

 最高のドヤ顔をありがとう!

 最高の笑顔をありがとう!



 金メダル、おめでとう!
Congratulation !
 

解説 あとがき
 ほんの出来心で始めたこの「U どりーむ」。
 実在の人物で夢小説を書いていいものかと見切り発車してしまい悩みながら、時には胃が痛くなったり寝不足になったりしながら、なんとか今日まで走り続けてきました。
 いくら創作であっても実在する人物を主人公にするのであればその人を傷つけない、その人を不快にさせる文章は書かないという事が最低限のマナーだと思い、これまで内村選手に敬意を払い最低限のマナーは守って来たつもりです。
「これでいいのかな…?」 「こんなこと書いて大丈夫かな…?」
 毎日が手探り状態、試行錯誤の連続。
 お褒めのお言葉も、お叱りのお言葉も頂けなかった事は自分の書いたものがコメントするに値しないものだったと痛感しています。
「私、何やってんだろ?」 「なんで毎日こんなことやってんだろ?」
 毎日が自問自答の連続。
 途中で何度も投げ出そうと思いました。
 それでも最後までやり遂げられたのは時々頂いた拍手のクリックと数件のコメント…
 そして日々数字として現れるアクセスの数―――
 ここにはカウンターを設置していませんが、かなりの数アクセスして頂きました。
 コメントを下さった方、拍手のクリックをして下さった方、言葉では書き表せないくらい嬉しかったです。ホントに本当に嬉しかったですありがとうございました。
 稚拙な文章、表現力、内容、設定―――どれをとっても未熟です。
 これからも「まっすぐ」を続けるうえで、とても勉強になったことは間違いありません。

 2012年ロンドンオリンピックが開催された、この夏は一生の思い出となりました。
 最後までお付き合いして頂き、感謝、感謝の気持ちでいっぱいです。
 この場を借りてお礼申し上げます。
 本当にありがとうございました。            

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています。)

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U どりーむ 23

 30 いつまでも、どこまでも 


「内村さん――――――私でいいの?」

「この期に及んでまだそんなコト言う!?―――★がいいんだ…★でなきゃダメなんだ――――――だから覚悟、

決めて!」

「覚悟?」

「内村航平の彼女になるってこと!」

「内村さんの…彼女……」

「てかさ、その内村さんってのやめてくれる!?前に言ったろ?航平って呼んで!」

「――――――こう  へ     ぃ―――ダメ!!恥ずかしい!」

 耳まで真っ赤にしてそんな顔すんなよ―――マジかわいいんですけど…

「航平って言わないとチューするぞ!!」

「――――――じゃあ、言わない!」

「そっか!じゃあ――――――」

「あっ!ウソウソ!航平!航平クン!!」

「よしよし!これからもその調子でお願いシマス!!」

「はいっ!了解しました!!」


 アレ?なんか今、損した気分?

 でも、ま、いっか…

 これからは★とふたりで過ごしていく時間はたっぷりある。

 今度は、チューどころじゃ済まないからな――――――


 他愛ない会話と笑い声、それだけで幸せな気持ちになる。

 なにもない日常の、何気ない毎日が★とふたりでいるだけで幸せ色に変わる。

 こんな気持ちにさせてくれたのは★のおかげなんだよ。


 グ―――ッ…


「あ゛あ゛っ!ヤダ!!」

「今のお腹の音?――――――なんだよ…ムードもへったくれもないなぁ…」

「だって今日、朝から何も食べてないんだもの!!」

「マジで!?―――そういや、オレもメシまだだった―――ね?またなんか作って!」

「冷蔵庫、カラッポだから――――――おばさんの店、買い物行く?」

「行こう!ふたりで行ったら、おばさん、きっとビックリするだろうな!?」

「フフッ…驚くおばさんの顔が目に浮かぶ…」


 手を繋ぎ歩く夜の道。

 何を作ろうかあれこれ悩む★の横顔。

 やっと見つけた大切なもの。

 ずっと守っていくよ。

 だから★の全部をオレにくれないか?

 そうしたらオレは永遠の幸せを贈るから…


 まっすぐに続くこの道を手を繋いで歩いていこう。

 いつまでも、いつまでも―――

 どこまでも、どこまでも―――



解説 あとがき
この後に続く31話を早くに書きあげてしまってて、この30話が私にとって最後に書いたお話になります。
本当は、昨日UPした29話の次に明日UPする31話で完の予定でした。
が、★が内村クンの事を「航平」と名前を呼ぶようになったくだりが書かれていないことに気付き慌てて考えたお話です。
取ってひっつけたような回になってしまいましが、この30話、ものすごく時間がかかってます。
書いては消し、書いては消し―――
結局、書きあがったのは今日、27日…
時間がかかった割に出来はorz…

さあ、明日が最終話になります!
一番書きたかったモノ、一番、力を入れた作品です。
すこしでも喜んでいただけるようにUPするギリギリまで手を加え、より良いモノにしたいと思っています。


   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)

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U どりーむ 22

 29 永遠という約束 


 きっと★は自分に自信が持てないんだ。

 どんなにオレが★を好きだと言っても…

 何度も★が好きだと叫んでも…


 それでも諦めるわけにはいかないんだ。

 ★の本当の気持ちに気付いてしまったから―――

 ★を離さないって決めたから―――

 もう泣かないで…


「★…好きだ…」

 溢れる涙を指で拭う。

「オレの事、好き?」

 ★の目をみつめる。

「言って…」

 頬に伝う涙を唇で塞ぐ。

「好きって言って…」

 腕の中でギュッと抱きしめた。

「―――――――――好  き―――内村さん…大好き…」

 心地良い痛みが胸の奥に響く。

 この言葉がどんなに欲しかったか―――

「やっと言った―――嬉しいよ…ありがとう。」

 優しくそっと頭をなでながら泣きじゃくる★の耳元で囁いた。

「愛してる…★―――絶対、離さない…」


 これから先、どんな高い壁が現れようと、★が側にいてくれるなら何度でも乗り越えて行ける。

 ★が側にいて笑顔でいてくれるのならどんな痛みにも耐えられる。

 ずっと側にいて…

 ずっと笑ってて…

 オレを見守ってて…


 そっと優しく抱きしめた小さな★の肩が震えている。

「もう泣かないで―――笑って…★…」


 潤んだ瞳でオレをみつめ微笑むキミに愛を誓う

 オレは全部キミのモノ…


 そっと握り締めたキミの手のひらから

 幸せがこぼれ落ちないように

 硬く指を絡ませ口づけて

 永遠という約束を心に刻む


 溢れる思いを伝えるように

 そっと唇を重ねる

 キミはオレのモノ…

 キミは全部オレのモノ―――



解説 あとがき
昨日のここで「明日は甘いです!」と書いてしまったあと、もしかして誤解されてないかな?と不安になりました。
人によって【甘い】の定義が違うかもしれない―――(エロぃのと間違われてないかな?と…)
実在の人物でこのような夢小説を書くことすら、ためらわれるのにエロぃ事なんて書けるわけない!
そんなの書いて、万が一、本人やその周りにいる人の目に触れるようなことになったらきっと不快に思うはず…
だから私はエロは絶対、書きません!!
もしかして期待していた方…申し訳ありません。 コレが私流の【甘い】です!

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)

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U どりーむ 21

 28 ホントの気持ち 


 失敗した…

 買い物するからって出て来たけれど財布の中は小銭しか入ってない。

 内村さんはまだ部屋にいるのだろうか…?

 メールしてみようとポケットを探って携帯を忘れて来た事に気付いた。

 ダメな時は何をやってもダメなんだな…

 悲しくなった。

 もう部屋に戻るしかない…


 部屋のドアを開けると、まだ内村さんの靴があった。

「おかえり!」

 意外にも明るい内村さんの声に少し驚いた。

 ひとり部屋に残し、きっと機嫌悪くしてるって思っていたから…

「あれ?手ぶら?買い物は?」

「お金―――小銭しか入ってなくて…」

「あわてん坊だな!携帯も忘れてっただろ!?」

「うん…」

 うつむいたまま頷いた。

「おいで!ここ座って!」

 内村さんは自分の座るすぐ横の床をトントン叩きながら笑った。

 まるで叱られた子供のように言われるまま座る。

「今日は★の気持ち、聞くまで帰らない!」

 駄々をこねるようにイタズラっぽく笑う。

 その余裕の顔はどこから来るの?

 まるで私のホントの気持ちを知っているかのように―――

 でも…それでもやっぱり、本当の気持ちは言えない…

 それがお互いの幸せになるはずだから―――


「私―――内村さんの気持ち、凄く嬉しいです…でも気持ちに応えることはできません…」

「どうして!?」

「――――――内村さんと私は、お客様と店員…アスリートと、そのファン以上の関係にはなれないから―――」

「ウソだ!!そんなのウソだ!!なんで本当の気持ち言わないんだ!?」

 内村さんの言葉が胸に刺さる。

 口が裂けても本当の気持ちは言わない…隠し通すと決めていたのに気持ちが揺れ動く。

「私は…内村さんに似合わない―――私じゃ内村さんと釣り合わない…」

 辛い…悲しい…苦しい―――

 泣かない、内村さんの前で涙は見せまいって決めてたのに勝手に涙が溢れてくる。

「なに言ってんの!?似合わないって、そんなの誰が決めるんだ!?そんなの勝手に決められても困る!!そこ

にオレの意思はあるのか!?オレのこの気持ちを無視するって言うのか!?」

 内村さんの意思…?

 内村さんの気持ちを無視するって…?


 喉の奥が、鼻の奥がツンとイタイ。

 苦しくて、苦しくて息が詰まりそうになる。

 欲しくて、欲しくてたまらない人…

 でも――――――

「私が側にいると――きっと邪魔 に…な る… 私 じゃ ダ  メな の…」

 言わないって決めたの―――



解説 あとがき
コレを書く前に美珠葵氏に「1度は断るんだよ!」って言ったら「アンタそういうの好きやね!」と言われた。
好きと言うか―――
例えば告白で「好きだ!」 「私も前から好きだったの!」じゃ、話として面白くないでしょ?
ホントのこと言えば、もうひと山もふた山もあって、やっとハッピーエンドって方が盛り上がって面白いと思うんだけど、時間も、それを書く腕も持ち合わせておりません…
ホント、どこかに文才、売ってないですかね?

予告
明日は甘いです!フフフ…

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)

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U どりーむ 20

 27 ハートの意味 


「あっ!待てよ!おい!★!!」

 部屋から飛び出して行った★を追いかけようとしたが鍵を掛けないまま部屋を空けるのは物騒だ。

「部屋で待ってて」と言った言葉に従い★が戻るのを待つしかない。

 嫌な予感しかしなかった…

 逃げるように走り去った★と真っ赤な目―――

 ダメなのかな……?

 ひとりでいると、どうしても最悪の結末を考えてしまう。

 気持ちを落ち着かせるように★の部屋をぐるりと見渡した。

 いかにも女の子の部屋と言う感じで小ざっぱりと片付けられている。

 ん!?あれはなんだ…?

 様々な本がズラリと並ぶ本棚の上、何かのチケットが額に入れられ飾られていた。

 近寄って手に取ってみる。

 これ―――!!

 オレがあげたチケットの半券…

 なんでこんなの大事そうに飾ってあるんだ?

 フツ―こんなの大事に額なんかに入れるか!?

 額を持つ手がブルブルと震える。

 もしかしたら――――――

 さっきまで絶望の淵に立たされていた感だったのに…

 聞きたい!

 今すぐに★の気持ちを…

 携帯を取り出し電話した―――

 ―――?

 部屋の中で携帯の着信音が聞こえる。

 マジか!★のヤツ携帯、持って行ってない!

 テーブルの上に置かれた携帯が主を求めブルブルと震えていた。

 あわてん坊だな…

 ふと携帯に表示された画面を見て泣きそうになるくらい嬉しかったんだ…


 内村航平 


 チケットの半券とハートのマーク。

 ★の気持ちが手に取るように分かる。

 あの子はいつも、まっすぐだった…

 いつも、いつも正直で一点の曇りもない純粋な子。

 そんな★を好きになったオレだから…


 早く帰ってこい!

 この手でギュッと抱きしめてやる!

 そして言うんだ―――

「離さない!」って…



解説 あとがき
これまた伏線の回収です!
「ステキなドヤ顔」を読まれてコレは…!と、思われた方は鋭い!!
てか、見え見えだったかな?

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています…)

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