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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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白いデッキシューズ


8月のある日、JA主催の戦隊ヒーローショーがあった。

大きなテント数台を組み立てた屋根の下にブルーシートを敷き詰めた座敷。

その座敷に子供達が座り、ヒーローショーを楽しんでいた。

テントの周りでは野菜などの特産品や、ちょっとした屋台も出店している。

たこ焼き、焼きそばに、かき氷…

この日は特に暑かったので、かき氷が飛ぶように売れていた。


ヒーローショーが見たかったわけではないのだけれど、テントのすぐ脇で配られていた、団扇が欲しくてテントの中に入っていった。

ブルーシートを踏まないように座敷のすぐ横をかき分けて歩いた。

団扇をもらい、テントの外に出ていくところでメインのヒーローショーが始まった。

テントの外に出入りする道が混雑し始めたので、ブルーシートのすぐ脇で立ち止まり、ちょっと見ていくことにした。


私の横で男の子の名前を呼ぶおばあちゃんが現われた。

座敷に座っている男の子を手招きして呼ぶと、おばあちゃんが、かき氷を差し出した。

メロン味のかき氷。

おばあちゃんは孫にソレを渡すと、どこかに去っていった。

嬉しそうに、かき氷を見つめる男の子。

男の子は自分が座っていた場所に戻るのを待てず、手渡された場所で立ったままかき氷に差してあったストローのようなスプーンを引き抜き食べようとした。


子供のすることだから…

上手くスプーンが抜けず、メロン味のかき氷が、かなりの量こぼれて落ちた。

地面にこぼれ落ちたのなら良かったのだけれど…


ブルーシートの座敷に座るのにブルーシートの脇には、所狭しと靴が脱ぎ捨てられたように並んでいた。

子供の靴。

その子供の付き添いの親の靴。

その中に真新しい白い大人のデッキシューズがあった。

よりにもよって、メロン味のかき氷は、そのあたらしいデッキシューズにこぼれ落ちたのだ。

みるみる緑色に染まっていく真っ白なデッキシューズ。

かき氷をこぼした男の子は、一瞬慌てたような顔をしたあと何もなかったように座っていた場所へと戻っていった。


一部始終を目撃した私。

こんな時どうしたものか…

この靴の持ち主が分からない。

それに持ち主が分かったとしても「あそこに座ってる男の子が、かき氷をこぼしましたよ!」と教えていいものかどうか…

かき氷を買って手渡した、おばあちゃんが、どこにいるのかもわからない。

顔さえ覚えていない。


気の毒に…

そう思いながら、その場所を離れるしかなかった。





ネタのない苦し紛れの2か月前の記憶です。(//∇//)



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