命日
今日は母の命日だった。
今日は家族の仕事の都合で、夕方にお墓参りに行くことになった。
冬とは言え日が落ちるのが少しずつ長くなった。
夕方5時でも十分明るい。
それでも、あまり遅い時間にお墓参りに行くものではないので、急いで済ませることにした。
お菓子をお供えして、お水を替えて、線香をあげて…
今年はお花を買う時間がなくてゴメンネ…
お墓参りは月に1度は行くようにしている。
お花は次に持ってくるね。
母は突然死だった。
家人が留守にしている間、誰にも看取られることもなく、ひとりであの世に旅立った。
第一発見者は私。
母は、もう息を引き取ってから、かなりの時間を経過していたようで、すでに冷たくなっていた。
頭が真っ白で、どうしていいのかわからない。
取り敢えず救急車に連絡。
電話の向こうで「どうしましたか!?」と叫んでいる声が聞こえる。
母が死んでいる…
認めたくなかった。
言葉に出して言うことができない。
言葉にすると、なにもかもが終わってしまうような気がした。
「母が冷たくなっていて…」
多分そう言ったような気がする。
救急車が来た。
誰も最後を見た人がいないということで警察の方も来た。
あとは覚えていない。
事件性はないということで病死と結論が出た。
医師が死因を調べますか?と聞いてきた。
遺体を切り刻んでまで死因なんて調べる必要はない。
死因が分かったところで母は生き返りはしないから。
「逝く時はポックリ逝きたいねぇ。」
誰にも迷惑かけたくないからと、そう母は言っていた。
ポックリ逝きすぎだよ~
あんまりじゃないか。
家族には迷惑かけていいんだよ。
てか、かけてほしかったよ。
どんな形であれ生きてて欲しかったよ…
苦しくなかった?
痛くはなかった?
傍にいてあげられなくてゴメンネ…
言いたいこと、聞きたいこと、たくさんあるけれど…
毎年、この日には思い出すことがたくさんあって…
梅の花が咲いてるよ。
かあさん…
もう書かない。
母の死については、もう書かない。
家族の記憶に残して欲しいから…
これが最初で最後。
これは私の心の中の記録。
