父
いよいよ明日、父の手術だ。
母のお墓参りに行ったあと、その足で父の入院する病院に行った。
病室に入ると、寝ているのか、起きているのか、ウトウトしている父の足をつつき、様子を見た。
目を開けた父が私に気付いた。
「明日、手術だってね?」
そこまで言うと自分の顔が歪んだのがわかった。
私は、すぐ泣く。
嬉しかったり、悲しかったり、腹が立ったりと感極まるというか、すぐ涙が出るのだ。
「明日、手術だってね?」
そう言ったあと、泣きそうになって、
それが父にバレるのが怖くて、思わず笑った。
きっと、すごく変な笑い顔だったに違いない。
そのあと、何を言っても泣きそうだったので
「今日は暑いね…」と、言いながら窓の外を見た。
「そうか?」
「うん。暑いよ。」
「わしゃ、ちっと寒いくらいや。」
半袖でも過ごしやすい今日の天気。
父は体調がすぐれないのか肌寒いと言った。
「そうね…? そしたら掛け布団、ちゃんと被っとき。」
半分しか掛けられてなかった掛け布団を胸のあたりまで掛けてあげた。
なにを話そう…
何を話しても泣いてしまいそうだ。
一人で、お見舞いは、やっぱり辛いなぁ…
「明日、手術が始まる前に来るから。」
そう言うと手を振って病室を出た。
わずか10分足らずのお見舞い。
父の手術をしてくれる病院は、市内でも中堅の病院だ。
難しい手術の時は、隣の市の大きな県病院や大学病院へと転院させられるはずだ。
それがないってことは、それほど深刻でもなく難しい手術では無いってことだろう。
てか、そう思いたい。
今こうして、呑気にブログを書いているのは良い方へ、ポジティブに考えているからだと思う。
とにかく今は、手術の成功を祈るのみ。
明日、お昼すぎ手術が始まる。
予定では約6時間とのこと。
静かに、その時を待つことにしよう。

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