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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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生きててくれて良かった






同僚A君が、姿を消したのは、ちょうど2週間前。

嫁からのDVから逃れるために、誰にも何も言わず姿を消した。


姿を消す前日に、同僚のSさんに

「おれ、もう、何も思い残すことないわ!」

そう言って、帰宅したと聞いた。


何も思い残すことはない?

それって、まさか!?



A君が消えて、2日後、会社に嫁から電話があった。

「主人が、ご迷惑おかけして申し訳ありません。」 と。


どうやら、嫁もA君の行方を知らないらしかった。

そして捜索願を出したとも。



嫁から、DVを受けていることは、職場のみんなが知っていた。

警察に行けば?

悩み相談に電話してみたら?

A君にアドバイスしてみたけれど、3人の子供が可哀想だからと、耐えていたようだ。


「自分が悪者で、丸く収まるなら、それでいいんよ。」 と。

あきらめの境地?


両親は、10年以上前に亡くなって、今の父親は義父。

妹はいるけれど、義父との間に生まれた妹なので、血は半分しか繋がっていない。

それでも、兄妹は仲は良かったようだ。


母は、いない。

血のつながっていない義父。

妹も家庭が有り、頼れる人はいなかった。



「思い残すことは何もない」

職場のみんなが、その言葉が気になって心配した。



1週間ほど前、明け方にA君が、夢に出てきた。

「咲希さん、らくがん買ってきたから、食べてね。」

ニッコリ笑ったA君の顔。

すぐに目が覚めた。

で、思ったのが 『なんで、らくがん!?』


夢の中に出てきた、小さくて、ピンクと白の丸い らくがん。

らくがんって、お供え物のイメージがある。

もしかして、A君は、もうこの世にいないのでは?


職場で、その事を言うと

「俺、もしかしたら嫁に庭に埋められとるかもしれんって思とる。」

「やっぱり~! やりすぎて…って可能性あるよね?」

「生きとるなら、電話してこいよ!って感じや。」

「ホントに… みんな心配しよるのに…」




A君が、行方不明になってから、ちょうど2週間。

A君の所在が判明した。

どうやら県外で、日雇いの仕事をして元気でいるそうだ。


ホッとした。

元気でいるなら、それでいい。

もう、子供のことは考えないで、自分のためだけに生きて欲しい。

もう帰ってこなくていいよ。

だって、まだ35歳。

まだまだやり直せる。


生きてて良かった。

本当に、生きててくれて良かった。






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