新人クン
今年4月に入社した新入社員が我部に研修にやってきたのは先月の終わり頃。
かれこれ2週間ちょっとになる。
大体が同僚のMさんが指導に当たっているのだが、Sさんがお休みだったせいで私にその役が回ってきた。
教えながら何度も聞く。
「ここまで意味わかった?」
うまく説明できているのか不安だからだ。
今までの研修に来る新人クンは必ずメモをとっていたのに、今回の新人クンはメモ帳さえ持っていない。
『ダメだこりゃ…』
内心そう思いながら説明を続ける。
「咲希ちゃんは優しいねぇ~」
同僚のKさんが言った。
「私が聞いていても分かりやすく説明してるし。」
いやいや、かいかぶりですよ。
声がデカイから聞き取りやすいだけですから…
そう思いながら黙々と作業を続けた。
新人クンが席を外したあと、もうひとりの同僚が小声で呟いた。
「新人クン、Mさんの時と質問する声が違ってる…声のトーンがね、なんかね…」
えっ?そうなの?
「Mさんのこと怖がってるみたいだからかな?」
「咲希ちゃん、舐められてっちゃが!?」
あぁ…
そうか…
舐められてんのか、私…
まぁ、いいや。
怖い人がいるなら、なおさらのこと。
私に逃げ道を作っといてやるのもいいか。
だって新人クンだからさ。
(*゚◇゚)<ホントは? キレると怖いんだぞ!私!!>ヽ(`Д´)ノ
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