ユカちゃん(仮)
同僚のKさんの娘さん。
名前をユカちゃん(仮)としよう。
そのユカちゃん、地元の進学校を出て隣の県の国公立大学へ現役で入学した。
経済学部に入り公務員になるための勉強していた。
が、卒業しても不景気なのかコネ優先なのか希望の就職先には入れなかった。
以前、ここにも書いたことがある。
Kさんの娘、ユカちゃんが欝になって「死にたい…」と口走り、親子で毎日地獄のようだと語ったことを。
話せば長くなる。
手短に話せば、仕事先でパワハラにあったのだ。
毎日怒鳴りつける上司。
その上の上司に相談してもスルーされ我慢するしかなかった。
やっと見つけた就職先。
ユカちゃんの頭の中は「仕事に行かなきゃ…」しかなかったのだろう。
毎日繰り返されるパワハラ。
体が蝕まれていった。
気が付くとユカちゃんは重度の欝になっていた。
Kさんはユカちゃんを退職させ自宅療養させることにした。
それから約1年の時が流れただろうか。
その間に何度か「短時間でも行ったら?」とバイトを探したようだがユカちゃんは首を縦に振らなかった。
『またパワハラにあう…』
前の職場での事がトラウマになっていたのだ。
『人が怖い。』
対人恐怖症にもなっていた。
自分はダメな人間だ。
このまま、どこにも行けず歳をとり親も逝き、一人になってしまう。
辛すぎる…
死にたい…
欝になった人は先のことを考えてネガティブになってしまうらしい。
Kさんとしては自分の子が「死にたい…」と漏らしたことに恐怖を覚え現状をどうにかしたいと考える。
でも、どうすることもできない自分に無力さを感じるしかなかった。
それが「親子で地獄を見ている。」と語った所以だ。
Kさん、ユカちゃんをいつまでも、このままにしておくことは出来ず、会社の上司に相談した。
「無給でいいので娘を雑用に使ってください。私が一緒についていますから。」と。
これまでの経緯を話すと上司は快く受け入れてくれた。
「そんなこと言わずにお母さん、あなたの部署に入って一緒に仕事させればいい。」とまで言ってくれたそうだ。
それから、ユカちゃんへの説得が始まった。
自分の働いている部署は、みんないい人ばかりだから。
「そんなのあるわけ無い!絶対ひとりは口うるさい人はいるから!」
みな和気あいあいで楽しい人ばかりだから。
「嘘つき!そんな職場あるわけない!!」
母親の説得を次から次、全部否定するユカちゃん。
それでも見学だけでもしてみよう?
Kさんがユカちゃんを我が部署に連れてきたのは1週間前のこと。
そして先日、上司と面接し採用が決まった。
1~2週間は1日2時間。
日が経つにつれ1時間ずつ仕事の時間を増やしていこうということになった。
ユカちゃんは大きな一歩を踏み出した。
Kさんの横で頑張っているユカちゃんの後ろ姿を見て嬉しくなった。
2時間後、ユカちゃんは「お先に失礼します。」と一礼して帰っていった。
Kさん曰く「手が震えていた…怖かったんやろうね…」と。
我部での最終目標はユカちゃんをフルタイムで働けるようにリハビリさせること。
1年?5年?いや10年かかっても目標を達成させよう!
世の中、怖い人ばかりじゃないってこと教えてあげよう。
和気あいあいの楽しい職場は存在するってこと見せてあげよう。
だって我部は本当に良い人たちばかりなんだからね!!
(*゚◇゚)<全力で応援だ! 頑張るぞっ!!>( ̄0 ̄)/ オォー!!
