多分そんなもの
少し前、我が部署の、ある一人の同僚の事で揉め事が起こった。
一人ずつ店長室に呼ばれ、面談をすることになったのだが…
不覚にも泣き虫の私は、店長の前で泣くことになった。
問題となった同僚の、これからのことを話しているうちに話題がすり代わり、
店長の家庭のことに変わっていた。
店長は、面白い人。
いつも冗談を言って、皆を盛り上げるタイプの人。
そんな店長の奥さんが、うつ病を患っていて、家族が大変だったと聞いた。
家庭が、そんな状態であるのに、そのことをチラとも感じさせることなく毎日仕事を頑張っている…
私には、到底マネ出来ない。
私だったら周囲に愚痴をこぼし、毎日、不機嫌な顔をして仕事をするに違いない。
親であること、人を育てること。
間違っているのか、間違っていないのか。
その先に明るい未来が待っているのか、そうでないかは、誰にもわからない。
問題になった同僚のこと、店長の奥さんや家族の話をしていて、涙が出た。
「他人のことで、泣けるなんて、咲希さんは、優しい人やね… 」
その言葉が嬉しくて、恥ずかしくて
「年とって、涙腺が弱くなって…」 と言い訳する私に、店長が
「それね、みんな言うんやけど、違うんよ。
これまで生きてきて、いろんなこといっぱい経験して…
辛いこと、苦しいこと、たくさん経験したから、人の思いもわかるんよ。
年とったからやないんよ。」
その言葉に、もっと涙が出た。
私、今まで、辛いこと、苦しかったことあったかなぁ…?
今現在、そう思えても、過去を思い返すと苦しくて悲しくて辛いことは、いっぱいあったはずだ。
でも、それを「そんなこと、あったかなぁ…?」と思えるのは、きっと今が幸せだからなのだと。
過去の私があって、今の私があるのだ。
あっ!
そう言えば、私の十代後半は暗かったなぁ…(´;ω;`)
あの頃は、たしかに辛かった!
でも今は「バカだったなぁ~」と笑いながら言える。
人生って、多分そんなもの。
多分、そんなものなのだ。
