上司
5年間、直属の上司として、頑張ってきたチーフが、3月いっぱいで退職することになった。
同じ、福岡県出身で、時々漏れる福岡の言葉が私を和ませてくれた。(*^_^*)
いつも全力で、じっとしているところを見たことがない。
私にとって、本当に良い上司だった。
「咲希ちゃん、昨夜は眠れたね?」
「いや… あまり眠れんかった…」
「大丈夫やが! 前に比べて丸くなっとるから。」
「それ、見た目だけとかじゃないよねぇ…?」
今朝、仕事を始めてから、しょっぱな同僚Mさんに言われた。
眠れない理由は、新しく来るチーフのこと。
今度、我部に配属されたチーフは、私とは犬猿の仲。
過去に大喧嘩をした相手。
(ちょっと長くなります) m(_ _)m
それは8年ほど前のこと―――
彼は、我部のチーフだった。
サブチーフに対して叱る言葉が、いつも聞くに耐えない暴言。
部屋の隅で叱る言葉が、漏れ聞こえてくるのをずっと我慢して聞いていた。
その頃、サブチーフの母親はガンで闘病生活を送っていた。
私が知っているくらいだったので、彼も知っていたはずだ。
それなのに、思ったように仕事ができないサブチーフに対して
「氏ね!」 (わざと 誤字にしています)
と、繰り返し怒鳴っていたのだ。
いつまでも同じ失敗を繰り返すサブチーフもいけないのだけれど、
「氏ね!」 は、ダメだ。
ある日、堪忍袋が切れた私。
「家族に病気の人がいるのに、氏ね!なんて言葉、言わんでくれんか!」
「アンタが言ってる言葉は、パワハラじゃ!!」
言いながら泣いていたような気もする。
その後、何を言い争ったのか記憶にない。
それから、半年後、彼は辞令で新しい店舗に移動となった。
そんな彼が、4年ほど前、肺がんで入院したと聞いた。
タバコも吸わない人だったのに…
長い闘病生活後、彼は無事職場復帰した。
薬とは縁を切れない生活になったようだけれど、元気でいるとのこと。
生死に関わるような病気を経験した彼は、もう二度と
「氏ね!」
という言葉は口にしないだろう。
それだけが救いだ。
彼が我部に移動してくるのは1週間後。
それまで心を落ちつけなければ… ( ´Д`)=3
