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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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U どりーむ 8

  11 知りたい…
  
「いらっしゃいませ!」

 その声はいつもの聞きなれたあの子の声じゃなかった。

「あら、内村さん、昨日はおめでとう!!チケットありがとうね!お言葉に甘えて★ちゃんと観に行ったわよ
~!」

 ★ちゃん?

 あぁ、そうか…あの子の名前か…

 制服の胸に付けられた名札で名字は知っていたものの下の名前はまだ知らずにいたのだ。

「今日はお休みですか?」

「あぁ…★ちゃん?来週、学校で何か行事があるみたいで、その準備やなんかで10日程バイトお休みするって…」

 学校?あの子は学生だったのか―――

「学校って、大学生?なんですか?」

「そうよ~!親に反対されたんだけど、ここでバイトすることを条件に許してもらったのよ…あの子も頑張り屋

さんで、うちとしては喜んでいるんだけど、働きすぎってくらい手伝ってくれて――――― ――― ―――」

 それからおばさんはオレが聞きもしない事まであの子の事を延々と語り続けた。

 どうやらこのコンビニはあの子の親戚がやってる店で、ここでバイトすることを条件に上京してきたらしい。

 思えばオレはあの子の事を何も知らない。

 もっと知りたいのか?オレ―――?


 ドリンクとガムをひとつ買い店を出た。

 タバコ、買わなかったな…

『約束、忘れてないでしょうね!?』

 あの子の言葉が頭の中で聞こえた。

『忘れてないよ…』

 心の中で小さく呟いた。



 12 最後の願い 

 内村選手を応援しに行って1週間が経っていた。

 おめでとうの言葉とチケットのお礼を言いたいのに―――

 所詮、私はただの一ファンでしかないのだと痛いほど思い知らされる。

 欲張っちゃダメ!

 たとえ店員とお客様の関係であっても顔を見て会話ができるだけで十分って思わなくちゃ…



 ギャー!遅刻、遅刻!

 目覚まし時計、なんで鳴らないの!?

 この日私は友人と約束していた時間に遅れそうになり急いで駅に向かっていた。

 あれ?もしかして―――

 信号待ちで立ち止まった通りの向こうに見慣れたジャージ姿が見えた。

 内村選手だ!

 その姿を見ただけで胸が震えた。

 どうしよう―――どうしよう――――――


「おはよ!久し振りだなぁ!!」

 信号が変わりこちらに渡って来た内村選手は私に気付いたのか右手を上げて微笑んだ。

「おはようございます…」

「★は今から学校?」

「はい――――――ってか名前、どうして…?」

「おばさんが言ってたから。」

 そうか…おばさんから聞いたのか…

 いきなり★って呼ばれてビックリしたけど嬉しいな…

「遅くなってしまったけど、優勝おめでとうございます!それから―――チケットありがとうございました。」

「いやいや…お礼言いたいのはこっちだよ!応援ありがとう。それよりオレ手、振ったのに…分からなかった?」

 手、振った…?

 あれは内村選手のお母さんに振られていたものじゃなかったの?

「ゴメンナサイ…近くに内村選手のお母さん座ってたでしょ?だから―――」

「たぶんそんな事だろうと思った―――とにかく観に来てくれて嬉しかったよ、ありがと!」

 やっぱり好きでたまらない。

 優しいこの人は私の手の届かない遠いところにいる事は分かっているのに―――

 それでも手を伸ばさずにはいられない。

 最初で最後―――

 これで諦めよう…

 私はただの内村選手のファンに戻ろう…


「優勝記念に握手してもらっていいですか?」

 心の中、悲しみで震える手を伸ばした。

「おぅ!握手くらい、いくらだってしてやるさ!!」

 内村選手は私の差し出した手を握った。


「イッテェ!!」

 なに?

 何が起こったの!?

 内村選手が右手を押さえ苦痛で顔を歪めてる?

 どうしよう―――

 私のせいだ!

 どうしよう―――

 私のせいでどこか痛めたに違いない…

 どうしよう――――――


  
解説 あとがき
説明のようなつまらない文章も終わりとなりました。
これからヤマに向けてラストスパートです!
加速していきますよ~!!

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)

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