U どりーむ 12
18 矛盾
「★!もう電車、来るぞ!」
内村さんと電話で話している時、一緒にいた友達の彼氏が私に声をかけた。
もしかして今、内村さん誤解したかもしれない…
私の彼氏だって思ったかもしれない…
誤解、解かなくちゃ…
でも何の関係も無い私がムキになって誤解を解くこと自体、おかしいんじゃない?
私に彼がいようがいまいが内村さんにとっては、なんの関係も無いから。
でも…でも、そうは思われたくない…
ただのファンに戻るって決めたばかりなのに頭の中は矛盾だらけ。
どうしたらいいの…?
電車の中でも考えることは内村さんの事ばかり―――
抑さえても抑えきれない、溢れ出る【好き】という感情。
好きになってはいけないと分かっているのに心はアノ人を求めてる…
見えない心の手がアノ人を求め彷徨っている。
世界を舞台に戦うアノ人に、何処まで行っても私は釣り合わない…
届かない思いだと分かっているから困らせたくない。
今のこの関係を壊したくない。
だから言えない―――
だから言わない―――
部屋に戻り手にした携帯電話をみつめる事、十数分―――
もう、寝てるかもしれない…
でも後で電話するって約束したから―――
恐る恐る、電話番号を表示し発信ボタンを押した。
「こんばんは…★です…」
「こんばんは―――もう家、着いたんだ?」
「はい、あの…さっきは、ごめんなさい…話の途中だったのに…」
「それは、しょうがないさ…マナーだからな。」
「はい…」
「ちゃんと彼氏に家まで送ってもらった?」
「えっ!?」
やっぱり誤解されてる…
誤解、解きたい…
どうしよう―――
「駅で彼氏と一緒にいたろ?夜だったし送ってもらったんじゃないの?」
「―――――――――違 う…」
「えっ!?何が違うの!?」
今まで話していた内村さんの声のトーンが急に変わった事に驚いた。
頭の中パニックで真っ白になる。
「★!!聞いてる?何が違うのか言って!!頼むから言ってくれよ…」
どうしたの?
内村さん、なんかヘンだ…
「★!!」
名前を呼ばれて我に返った。
「違うの―――彼氏じゃない…彼氏なんていない…」
解説 あとがき
明日はお休みなので原稿、頑張って書き溜めしようと思います。
少しでも良いものが書けるといいな…
(この物語の成分は主の妄想100%で出来ています・・・)
