U どりーむ 13
19 希望の光
もう、★は家に帰り着いた頃だろう。
夜だからきっと彼氏に部屋まで送ってもらったに違いない。
送ったついでに★の部屋でくつろいでいるのかもしれない。
妄想すればするほど気分は落ち込んで行く。
電話するって言ってたけど、もうかかって来ない方がいい…
なんの望みもない★と話しても辛いだけだ。
電源切っておこう―――
そう思い携帯を手にしたとたんベルが鳴った。
一瞬、迷ったが通話ボタンを押した。
「こんばんは―――もう家、着いたんだ?」
なるべく明るく話そう…
「ちゃんと彼氏に家まで送ってもらった?」
別に気にしてないように話そう…
「えっ!?」
返ってきた答えは思っていた答えとは違っていた。
てっきり当たり前だと、のろけられると思っていたのに―――
「駅で彼氏と一緒にいたろ?夜だから送ってもらったんじゃないの?」
もしかして彼氏は送って行かなかったのか?
暗くなってるのに好きな子を家まで送らずにいられるもんなのか!?
その彼氏に対して苛立ちを感じた。
「―――――――――違 う…」
えっ?
違うって何が違うんだ?
もしかして―――
心の中、湧き上がる、ほんの少しの希望の光。
「★!!聞いてる?何が違うのか言って!!頼むから言ってくれよ…」
神に祈るように懇願する。
「★!!」
黙ったままの★の名前を叫んだ!
「違うの―――彼氏じゃない…彼氏なんていない…」
もう望みなんて皆無だと思っていた。
今朝、触れた甘酸っぱい懐かしい痛みはもう2度と感じることは無いと諦めていた。
胸の奥、ビリビリ響くキモチイイイタミ…
★に触れたい。
★がオレの事どう思っててもかまわない。
今すぐ★に触れたい。
指先がチリチリしびれ空気をつかむように握っては開きを繰り返す。
時計を横目で見ると23時を回っていた。
時間的に無理だ…
グッと強く拳を握りしめた。
「明日―――明日、時間ある?」
「明日?――――――7時過ぎなら空いてます…」
「じゃあ、会おう!話したい事あるんだ。」
「―――は い…」
今すぐ逢いたい衝動をこらえ、グッと我慢する。
「じゃ、また電話する…」
「はい…おやすみなさい…」
「うん…おやすみ…」
カーテンを開け、あのコンビニがある方向を眺めた。
この見つめる先に★がいる…
空を見上げると細くなった上弦の月が笑ってるように見えた。
解説 あとがき
この後の展開は皆様も大体予想がつくと思いますが・・・
さて、どういう風に料理していきましょうか・・・?
まったくのノープランです!
味はもちろん甘~く、甘~く、味付けしようと思っています・・・
(この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)
