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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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U  どりーむ 15

 22 カルボナーラ

 6時半過ぎ、あのコンビニの前に★が立っているのが見えた。

 オレの姿が見えたのか★はニッコリ笑って手を上げた。

「おかえりなさい。」

「うん、た だいま…」

 なんとなく気恥ずかしさを覚える。


「この辺に、話が出来そうなお店ないかな?」

「お店―――ですか…?」

「静かな、喫茶店とか…」

「――――――内村さんは自分の事、知らなさ過ぎですよ!?私なんかとふたりでお店に入ったら〝内村航平、

深夜の密会〟とかの見出しがついて写真週刊誌に載っちゃうかもしれないじゃないですか!」

「深夜って、まだ夕方だろ?」

「ああいう雑誌は少し暗くても深夜って言っちゃうトコですから…」

「なんか大げさだな…」

 写真週刊誌に★とふたりでいるの、撮られたって構わないんだ…

『大事な人です!』って言う覚悟は出来てるから―――

『そんなの構わない―――』

 そう、言おうとした時…

「少し狭いですけど私の部屋でいいですか?」

 突然の★の申し入れで少し驚いてしまい「あっああ…そうしよっか…」と声が裏返ってしまった事に自分なが

ら笑えてしまった。

 こんな展開になるとは思ってもみなかったから心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキしている。

『頑張れ、オレ!』―――心の中、何度も、何度も繰り返した。


 ★の部屋まで並んで歩く道、沈む夕日が映し出す長い影―――

 ★の影の頭をなでるように手を伸ばしてみる。

 ★の影、揺れる手のひらをつかむように手を差し出してみる。

届きそうで届かない胸の奥のむず痒さに、どこか心地よさを感じながら、いつの間にか★の部屋に着いていた。


 初めて訪れた★の部屋。

 ドキドキとソワソワが混在して落ち着かない…

 セリフは…?

 何度もシミュレーションしただろ?

 言いかけては飲み込み、きっかけを探ろうと試行錯誤…

 なんてオレはヘタレなんだろう…


「内村さん、食事まだでしょ?パスタなら出来ますけど食べますか?」

「えっ!?あ、うん!」

 またしても声が裏返る。

「具は何がいいかな…?」

 冷蔵庫をのぞきながら鼻歌交じり独り言のように呟いた★に声をかけた。

「オレ、野菜、苦手だから…」

「ええっ!マジですか!?知らなかった…」

「だから、悪いけど、野菜抜きのを…お願い…シマス…」

 驚いた顔をしたあとフフッと笑って冷蔵庫の扉を開ける★の姿を覗き見ながら心は幸せに浸っていた。


 テーブルに運ばれてきたそれはカルボナーラだった。

「生クリームだったらもっと美味しかったんだけどな…」

 少し悔しそうな顔をしながら★がグラスに麦茶を注ぐ。

 大好きな人に手料理を作ってもらえる―――それだけで胸がいっぱいで、幸せだ…


「美味いな…★はいつでも嫁に行けるな…」

 オレの嫁になる?―――まだ付き合ってもいないのにそのセリフはダメだ…

「そんなコト言って、おだてても、もう何も出てきませんよ。」

 イタズラっぽく笑う★の顔に見とれて話すタイミングを逃してしまった。

 ゆうべ何度も考えたシミュレーションは、なんの役にも立たなかった…



解説 あとがき
野菜嫌いの内村クンになんのパスタを食べさせようか―――
自炊してる人の冷蔵庫の中には、たいていタマゴ、牛乳、粉チーズくらいはあるでしょ?
ちょっと日持ちのするベーコンがあってもおかしくないよね?
と言う事でカルボナーラに決定!!
料理上手の子ってイイよね!

   (この物語は主の妄想100%で出来ています!)

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