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咲希のひとり言

ありふれた日常、思ったこと、考えたことを毎日書いていけたらなぁ…
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U どりーむ 19

 26 ウサギ
 
                 
 次の日も、その次の日も内村さんからメールが来たけれど学校の行事で忙しくてと、返事をしないまま今日ま

で来てしまった。

 あの日、好きだと言われてどんなに嬉しかったか、幸せだったか―――

 でも…それでも好きだという、この気持ちは言えない。

 これから先、内村さんはもっと世界へと羽ばたいて活躍する。

 そんなすごい人なのに私が側にいちゃ、きっと邪魔になる…

 もっと、もっとステキなお似合いの女性がいるはずだから…

 内村さんは私とは違う世界の人だから―――


 涙が頬を伝い床に滲む。

 心はこんなにも内村さんを求めているのに…

 力なくその場に崩れおちた。

 好きなのに―――

 こんなにも愛してるのに…

 その夜、一晩中、声を殺し泣き続けた。



 酷い顔…

 瞼が腫れ目も赤く充血している。

 こんなんじゃ電車にも乗れないし、友達にも顔、見せられない…

 今日は学校お休みしよう。

 大学の友人に休みの連絡を入れた後ベッドにもぐりこんだ。

 目を閉じて思い出すのは、あの日の内村さんの言葉―――

「オレ、★が好きなんだ…」

 思い出す度、辛くなる。

 忘れなきゃ…

 毛布を頭までかぶりギュッと目を閉じた。


 どれくらい眠ったのだろう―――

 気がつけば部屋のカーテンが夕焼け色に染まっていた。

 今、何時…?

 壁に掛けられた時計の針は夕方6時を指していた。

 目は相変わらず赤く充血してるけど腫れはひいたみたいだ…

 鏡を覗き込みホッと安心する。

 お腹空いたな…

 思えば朝から何も食べていない。

 心はこんなにも辛いのに体は正直だ。

 ちょっと買い物に行ってこよう…

 身支度を整え、玄関を出た。

 その瞬間息が止まりそうになった。

 どうして―――!?

 ドアの前、携帯を手にした内村さんが立っていたのだ。

 どうしよう―――

 私、まだ心の準備出来てない!

 目だってこんなに真っ赤に充血してるのに…


「あれ?いたんだ…?もしかしたら、もうすぐ帰ってくるかもって思ったから―――今日は逢えるまでずっと待っ

てようって決めて来たんだ。」

 内村さん、返事を聞きに来たんだ…

 このまま返事を先延ばしにしても結果は同じこと…

 ちゃんと気持ちを言って謝らなきゃ。

「あ  の ――――――私…」

「どうしたんだ?目、ウサギみたいに真っ赤だぞ!?」

 どうしよう!?

 泣いてたのバレてしまう…

「ちょっ、ちょっと買い物あるから―――部屋で待ってて下さい!!」

 逃げるように玄関を飛び出した。

「あっ!待てよ!おい!★!!」

 背中越しに内村さんの叫ぶ声が聞こえたけど聞こえないフリしてただひたすら走った。


 苦しい―――

 この苦しさは走ったからじゃない。

 本当の気持ちを隠したまま、今日でさよならしなきゃいけないと思うと辛くて苦しい…

 でも―――

 これでいいんだ…

 元いた世界に戻るだけ…

 内村さんのいない世界に戻るだけ―――



解説 あとがき
実際、内村クンの彼女ってどんな人なんだろう…?と考えたことがあります。
すごく大変だろうなって…
ロンドン五輪で更にファンが増えたでしょ?
もし今、彼女がいるのなら―――彼女としては嬉しいことだけど心配なこといっぱいだと思います。
どんなに可愛いくてステキな人でもきっと悪口言う人がいる―――つまりファンの嫉妬です。
内村クンはもう23歳!彼女がいて当然でしょ?(噂はイロイロですが…)
実際いるとしたら★のように自分に自信持てない人じゃ精神的にキツイんだろうな…
いろんな事があるだろうけど頑張って欲しいです!(誰に!?)

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています。)

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U どりーむ 18

  25 淋しい唇 

 全くの想定外――――――!

 予習もシミュレーションもあったもんじゃない。

 でも、自分のこの気持ちは★に伝わったはずだ。


「返事は次に逢った時に聞かせて…」

 このままここにいたら歯止めが利かなくなってしまう。

 気持ちだけが暴走して止まらなくなってしまう。

 気持ちを伝えたという達成感を持ったまま★の部屋を出よう―――

「ごちそうさま…パスタ美味かったよ…」

 玄関先で見送る★の目にはまだ涙が光っていた。

 その涙の意味を聞くことも出来ず★の部屋を後にした。


 オレに望みはあるのだろうか…?

 幸せな未来は待っているのだろうか…?

 目を閉じ浮かぶのは★の笑顔ばかり。

 思えば初めて会った時も★はオレを見て驚いた顔ひとつもせず笑顔だった。

 いつも、どんな時でも笑顔だった。

 オレの事思ってお節介焼くのも、上から目線で意見するのも全てが愛おしく思えた。

 もともと人みしりのオレが初めてガム貰ったのにセコぃプレゼントだの、ありがたく頂いとくだの、そんな風

に言えたことが不思議だったんだ…

 初めて逢ったのに、ずっと、ずっと前から知っていたかのように話せたのは必然だったのかもしれない。


 ★と繋いでいた手が熱い。

 マスク越しに触れた唇が淋しい。

 ★は今、何を思っているのだろう…?

 オレのことで頭、いっぱいだったらいいのに―――



解説 あとがき
あちこちにハゲ散らかした…イヤ、貼り散らかした伏線の回収のひとつです。
多分、全部、回収せずに終わりそうです…
だってこれ以上長くなると―――ねぇ…

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来てます!)

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U  どりーむ 17

 24 告白

 ただ見上げた花火が綺麗で嬉しくて―――

 内村さんも楽しんでくれてるのか気になって、すぐ横に座っている内村さんの顔を覗き込んだ。

 予想に反して内村さんは花火を観ずに私をじっと見ていた。

 顔に何かついてるのかな?

 さっき食べたカルボナーラの黒コショウ?

 花火を観ずに私を見ていた内村さんと目が合った。

 私は何も言えず内村さんの目をじっと見つめたまま身動きがとれなくなっていた。


 天使が通った―――


 花火の音さえも聞こえず、今この世界にふたりきりでいるような感覚。

 聞こえるのはドキドキ早鐘のように鳴る心臓の音。

 気が付くとすぐ目の前に内村さんの顔があった。

 それはマスク越しのキス―――

 そう―――確かに、キスだった。


「ゴメン―――オレ…」

 驚いて何も言えずにいた私に内村さんはバツが悪そうな顔をして呟いた。

「ううん…」

 何に対しての返事か分からなかったけどそう答えるだけで精一杯だった。

 いつの間にか花火は終わり出店の屋台に向かう人の笑い声が辺りを賑わせていた。

「帰ろっか…?」

 内村さんの言葉に黙って頷いた。


 手、繋いでくれないんだ…

 行きとは違って帰りは空気が重く感じられる。

 さっきのマスク越しのキスは幻…?

 花火という魔法が見せた、ただの幻だったの?

 家までの道が、いつもの何倍もの距離があるように感じる。

 半歩遅れて内村さんの俯きがちの背中を見ながら、ただ無言で歩いた。


 何かしゃべって―――

 今、何を思ってるの?

 振り返って私を見て…

 内村さん、今、どんな顔してるの?

 
 置いたままのバッグを取りに戻った部屋の中、内村さんは背中を向けたままマスクを外した。

「オレ、チョ~カッコ悪い…」

 そう言いテレ臭そうに頬を染め笑いながら振り向いた。

 よかった…

 無理やり連れ出して機嫌が悪くなってたわけじゃなかったんだ…

 怒ってるのかと思って怖かった…

 安心したのかホッとして泣きそうになった。

「えっ?もしかして泣いてる?」

「泣いてません…」

 ごまかすように下を向いた。

「ウソだ…泣いてるし…」

 そう言って内村さんは私を抱きしめた。


「知ってる?――――――オレ、★が好きなんだ…」

 抱きしめられた腕の中、すぐ耳元で声が聞こえた。

 これは夢?

 何も出来ずに宙に浮いたままの両手をすぐにでも内村さんの背中に回したかった…

 私も同じ気持ちだと言いたかった。


『世界の内村選手にアンタなんか釣り合うわけないよ!』


 何度も、何度も繰り返し自分に言い聞かせた言葉―――

 夢のような世界から現実に引き戻される。

 私は彼に似合わない。

 何処まで行っても釣り合わない…



解説 あとがき
【天使が通る…】 ついさっきまで普通に話していたのに急に話が途切れて沈黙する…
そんな時「天使が通った」って言いませんか?
この中では二人が言葉もなくみつめ合っている状況を現わしています。
ちょっと強引だったかなぁ…?

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています…)

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U どりーむ 16

 23  マスク 

 食事を済ませ食器を洗う★の後姿を眺めながら話すタイミングを模索する。

 今度こそ言うぞ!

 ゆうべ予習したセリフは―――

 心の中、呪文のように何度も何度も繰り返した。

 片づけ終わり、★がタオルを手にしたのを見計らって「話があ――― る…」

 パン パン パパン!!

 話があるんだ…そう言うのと同時に窓の外、大きく乾いた音がした。

「今の音なに?」

「そうだ!!近所の神社でお祭りがあるって言ってた!きっと花火の音ですよ!!」
 
 祭り…?花火か…そう言えばずいぶんと観てないなぁ…

「花火か―――行ってみよっ!!」

 パニくった気持ちを落ち着ける時間にもなるかもしれない…

「内村さん…さっきも言いましたけど、人がたくさんいるトコは大騒ぎになっちゃいますよ!有名人ってとこ自

覚して下さいね…」

 そう言った★の顔が少し残念そうに見えた。

 ★はきっと花火を観に行きたいに違いない…

「大丈夫!コレあるから!!」

 オレはバッグの底、眠っていたモノを取り出し着けて見せた。

「マスク…」

「風邪、流行ってる時の予防用にいつも持ち歩いてるんだ。これならオレだって分かんなくね?」

「う―――ん…目が…目だけでも内村さんって分かっちゃう…かな…?」

 オレの目をじっと見つめ眉間にしわを寄せうんうん唸る★がカワイイ…

「オレ、目だけ内村に似てるって言われるっすけどマスクとったら全く別モンっすよ!?」

 いつもよりずっと低めの声を出し、別人を装って言ってみせた。

「なに~!?その声!!笑っちゃう!!」

「な!?これでいいだろ?」

 ★は笑いながら頷いた。


 玄関を出て音のする方を目指して歩く―――


 歩くたび揺れる キミの手がささやいてる

「触ってもいいよ…」って

 袖口から見え隠れする キミの手が誘ってる

「手、繋いで…」って


 手を伸ばさずにはいられなかった。

 自分の気持ちさえも言ってないのに…

 思い切って、すぐ横を笑顔で歩いていた★の手を取った。

 オレの手に★は一瞬ビクッとなって驚いた顔をしたが、その顔がみるみる嬉しそうに赤く染まっていくのを見

てホッと安心した。

 嫌な顔して振りほどかれるのが怖かったんだ…

 心臓が手のひらに移動しているかのようにドキドキと脈打っていた。

 テレ隠しに繋いだ手を前後にブンブン振ってみた。

 楽しそうに笑う★の顔を見て、繋いだ手を更にギュッと握りしめた。

 離したくない…

 この手をずっと離したくない―――

 溢れ出る感情がオレを突き動かす。

 言うなら今だ!


「こうへい!ダメよ!!」

 背後から名前を呼ばれ振り返った。

「ママ~!早く行かないと花火、終わっちゃうよ~!!」

「ひとりで先に行っちゃうと迷子になるわよ!」

「はやく~!!」

 4~5歳くらいの男の子が小走りでかけて来た。

 花火を観に行く親子連れだったのか…

 一瞬、自分の事を呼ばれたのかと思い驚いてしまった。

「あの男の子、こうへい、って名前なんだ…」

 フフッと★が笑う。

「オレの事かと思ってビックリしたよ…」

 驚いて繋いだ手を離してしまったことを後悔した。

 いつも肝心なとこで邪魔が入る。

 ついてないな…

 
 公園に着くと大きな木の下に据えられたベンチに腰を落ち着かせた。

 大きな花火大会のような豪華さは無いけれど、それなりに腹の中ズンと響く音に合わせキラキラと打ち上げ花

火が舞い上がる。

 空に舞う小さな光に合わせ★の顔もキラキラ揺れる。

 花火よりも今は、あきるほど★の顔を見ていたい気分だ。

「綺麗―――――― ね?」

 ★はそう言ってオレの方に顔を向けた。

 目と目が合う。

 ★に吸い寄せられるように顔を近づけた。

 キス――――――したつもりだった…


 オレのバカヤロー!!

 マスクをしていたことに気付かなかったヘタレで間抜けなオレだった。



解説 あとがき
試合中はカッコよくて男らしいステキな内村クン。
私の中でプライベートの内村クンは、おちゃめで、ちょっと天然なとこもあるのかな?と妄想してます。
そんなカワイさ?を書いてみたくなりました。

   (この物語の成分は主の妄想100%で出来ています!)

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U  どりーむ 15

 22 カルボナーラ

 6時半過ぎ、あのコンビニの前に★が立っているのが見えた。

 オレの姿が見えたのか★はニッコリ笑って手を上げた。

「おかえりなさい。」

「うん、た だいま…」

 なんとなく気恥ずかしさを覚える。


「この辺に、話が出来そうなお店ないかな?」

「お店―――ですか…?」

「静かな、喫茶店とか…」

「――――――内村さんは自分の事、知らなさ過ぎですよ!?私なんかとふたりでお店に入ったら〝内村航平、

深夜の密会〟とかの見出しがついて写真週刊誌に載っちゃうかもしれないじゃないですか!」

「深夜って、まだ夕方だろ?」

「ああいう雑誌は少し暗くても深夜って言っちゃうトコですから…」

「なんか大げさだな…」

 写真週刊誌に★とふたりでいるの、撮られたって構わないんだ…

『大事な人です!』って言う覚悟は出来てるから―――

『そんなの構わない―――』

 そう、言おうとした時…

「少し狭いですけど私の部屋でいいですか?」

 突然の★の申し入れで少し驚いてしまい「あっああ…そうしよっか…」と声が裏返ってしまった事に自分なが

ら笑えてしまった。

 こんな展開になるとは思ってもみなかったから心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキしている。

『頑張れ、オレ!』―――心の中、何度も、何度も繰り返した。


 ★の部屋まで並んで歩く道、沈む夕日が映し出す長い影―――

 ★の影の頭をなでるように手を伸ばしてみる。

 ★の影、揺れる手のひらをつかむように手を差し出してみる。

届きそうで届かない胸の奥のむず痒さに、どこか心地よさを感じながら、いつの間にか★の部屋に着いていた。


 初めて訪れた★の部屋。

 ドキドキとソワソワが混在して落ち着かない…

 セリフは…?

 何度もシミュレーションしただろ?

 言いかけては飲み込み、きっかけを探ろうと試行錯誤…

 なんてオレはヘタレなんだろう…


「内村さん、食事まだでしょ?パスタなら出来ますけど食べますか?」

「えっ!?あ、うん!」

 またしても声が裏返る。

「具は何がいいかな…?」

 冷蔵庫をのぞきながら鼻歌交じり独り言のように呟いた★に声をかけた。

「オレ、野菜、苦手だから…」

「ええっ!マジですか!?知らなかった…」

「だから、悪いけど、野菜抜きのを…お願い…シマス…」

 驚いた顔をしたあとフフッと笑って冷蔵庫の扉を開ける★の姿を覗き見ながら心は幸せに浸っていた。


 テーブルに運ばれてきたそれはカルボナーラだった。

「生クリームだったらもっと美味しかったんだけどな…」

 少し悔しそうな顔をしながら★がグラスに麦茶を注ぐ。

 大好きな人に手料理を作ってもらえる―――それだけで胸がいっぱいで、幸せだ…


「美味いな…★はいつでも嫁に行けるな…」

 オレの嫁になる?―――まだ付き合ってもいないのにそのセリフはダメだ…

「そんなコト言って、おだてても、もう何も出てきませんよ。」

 イタズラっぽく笑う★の顔に見とれて話すタイミングを逃してしまった。

 ゆうべ何度も考えたシミュレーションは、なんの役にも立たなかった…



解説 あとがき
野菜嫌いの内村クンになんのパスタを食べさせようか―――
自炊してる人の冷蔵庫の中には、たいていタマゴ、牛乳、粉チーズくらいはあるでしょ?
ちょっと日持ちのするベーコンがあってもおかしくないよね?
と言う事でカルボナーラに決定!!
料理上手の子ってイイよね!

   (この物語は主の妄想100%で出来ています!)

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